ライター斎藤博之の仕事

このウェブログは、フリーランス・ルポライター斎藤博之が地域限定の新聞・雑誌または非売品の媒体などに執筆した文章を、広くお読みいただくために、公開することを目的にしています。
斎藤博之は、祭りや民俗芸能・食文化・温泉文化・地域の社会史・地域づくりについて執筆しています。
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美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(1)津軽蕎麦

 雁屋哲さんが原作の『美味しんぼ』という漫画に、「日本全県味巡り」というシリーズがある。南北に長いこの列島には、地域ごとに味わい深い郷土の食文化がある。食生活の欧米化が進んで家庭の食卓から消えつつある郷土料理は、幾百年もかけて伝えてきた食の智恵であろう。もういちど地域の食文化を見つめなおそうというのが、このシリーズの意図らしい。

 その「日本全県味巡り」で「青森編」が始まった。筆者も案内人という役回りで、この漫画の登場人物となった。そこで、私が案内した食べ物を、詳しく紹介してみようと思う。初回は、津軽蕎麦を取り上げることにしよう。


*「津軽蕎麦」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編1」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 02:43 | trackbacks(0) | comments(4) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(2)焼き干し

 津軽蕎麦は、焼き干しや煮干し・昆布などをふんだんに使って出汁(だし)を取る。弘前の三忠本店は、もともと、焼き干しがいまのように高価なものとなる以前は、煮干しではなく、焼き干しだけを用いていた。なかなか贅沢な蕎麦である。


*「焼き干し」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編1」に登場する食材です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 14:55 | trackbacks(0) | comments(1) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(3)南部の麺

 南部地方では、麺のことを「はっとう」または「はっと」と言う。蕎麦切りならば「蕎麦はっと」、饂飩ならば「麦はっと」だ。どちらも手打ちで、「はっと」を打てることは一人前の主婦となる重要な要件だった。「蕎麦はっと」が正月や小正月・結婚式などハレの日の食事なのにたいし、「麦はっと」は日常の小昼に食べる。

 この地方に、「すまし」という調味料がある。味噌をお湯で溶かし、濾してつくる。醤油というものがなかった時代、味噌の「たまり」や、この「すまし」がさまざまな料理に用いられていた。麺を食べるときも、当然「すまし」を使っていた。


*「すまし」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編2」に登場する食材です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 14:36 | trackbacks(0) | comments(0) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(4)南部煎餅

 南部地方は、畑作地帯である。稲よりは雑穀、米よりは粉食の文化が根強い。この列島の主食が必ずしも米ばかりに頼っていたのではないという証拠に、南部地方の人びとは「はっと」「かっけ」「ひっつみ」「じゅね餅」など麦や蕎麦で作る食べ物を戴いてきた。農作業の忙しい季節に野良で食べる小昼は、きまって雑穀だったのである。

 小麦を粉に挽いて作る食べ物の種類が、この地方には夥しいと思えるくらいに多い。そのひとつに、南部煎餅がある。南部煎餅は、小麦の粉を練り、黒胡麻を散らして焼く。煎餅を小麦粉で作るということじたいが、あまり他の地方には例がない。大概は、煎餅は米で作るものだからだ。


*「南部煎餅」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編2」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 00:02 | trackbacks(0) | comments(0) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(5)ひっつみ

 南部地方の粉食文化を語るのに欠かせないのは、「ひっつみ」であろう。「ひっつみ」とは、水団(すいとん)に似た、この地方の郷土料理。耳たぶ程度の硬さに練った小麦粉を「引っ掴む」ように鍋に投げ入れることから「ひっつみ」と言い、「取って投げる」ようでもあるから「とってなげ」とも呼ぶ。


*「ひっつみ」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編7」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 07:01 | trackbacks(0) | comments(2) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(6)金華餅

 三戸の市日(いちび)に「金華餅」を買った。頬被りしたお婆ちゃんが林檎箱に腰を下ろして、まだ湯気の立ちそうな作り立ての餅を広げていた。

 「餅」と言っても杵で搗いた餅のことではない。餃子のような形をした小麦の皮に、胡麻や胡桃の入った黒砂糖や味噌の餡を包んで蒸してある。路上や店に普通に売られている、この地方のごく普通の食べ物である。

 粉に挽いた小麦を練って拵えるものを、なべて「餅」と謂う。稲に席巻される以前、この国には広く粉食の文化があった。南部地方のなかでもとりわけ山がちな五戸・三戸・二戸・一戸・久慈のあたりには、雑穀を粉に挽いて使う食べ物が多い。その種類の豊富さを見れば、“米が穫れぬから貧しい”という考えはたんに平野に暮らす者の偏見に過ぎないと気付くだろう。


*「金華餅」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編9」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 22:45 | trackbacks(0) | comments(2) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(7)小川原湖の天然鰻

 青森県の天然鰻の漁獲量が日本一であるということは、あまり知られていない。どこで捕れるのかと言えば、小川原湖がいちばん多い。静岡の浜名湖はほとんど養殖だし、天然鰻と言えば四国の四万十川などを思い起こす人も多いだろうが、じつは小川原湖が質と量において他を圧倒している。


*「小川原湖の天然鰻」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編2」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 07:31 | trackbacks(0) | comments(1) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(8)鮑の肝鍋

 津軽地方の日本海伝いを歩く「西浜街道」は、大間越(深浦町岩崎大間越)の関所を越えて秋田領へ至るので、「大間越街道」とも呼ぶ。弘前の城下から鰺ヶ沢や深浦など北前船の湊を結ぶこの街道は、羽州街道が整うまでは参勤交替の行列も通る動脈だった。

 西浜の浦々は、対馬暖流に乗って千石船が行き来し、越前や近江からきた商人たちで賑わっていた。

 岩崎から深浦にかけての地域は、天明の大飢饉の折も、津軽の新田の一帯に較べれば、さほど大きな被害はなかったらしい。天明5年8月(1785年9月)、この道を秋田から弘前に向かって旅した菅江真澄も、このあたりを歩むうちは津軽がたいへんな惨状になっていようとは夢にも思わなかった。

 西浜は対馬暖流のおかげで津軽のなかで最も暖かな気候であるのに加えて、もともと米だけに頼っていなかった。豊かな海と山の幸があったからだ。白神の山を後背に控え、磯の際まで森が迫るこの地域には、森が育む山菜や茸、磯の海藻、海の魚介を利用して、暮らしを営んできた。


*「鮑の肝鍋」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編6」に登場する食べ物です。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 01:11 | trackbacks(0) | comments(0) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(9)フジツボ

 「フジツボ」という貝は、いまでこそ東京の料亭から引き合いのある高級な食材となったが、以前は捨てられていた。臭くて、煮ても焼いても食えないからである。

 この「フジツボ」、じつのところは貝ではない。蝦や蟹と同じ甲殻類に属する。海底で貝の殻に付着して大きくなる。漁師の網に入っても邪魔ものにされていた。


*「フジツボ」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編4」に登場する食べ物です。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 19:54 | trackbacks(0) | comments(0) |
美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(10)大間の鮪

 日本人は、よく鮪を食べる。握り寿司や刺身の代名詞といってもよい。ことに脂ののった腹身、つまり「トロ」を好む。近海で揚る分では到底一億人の胃袋を充たすに足りず、いまや世界中の鮪がこの国へ集められている。空輸される生ものもあるが、その多くは冷凍。近海で獲れる生の鮪は、以外にもその味を知る人が少ない。

 もともとこの列島でかくも大量の鮪が消費されていたわけではない。だいたいが鮮度の落ちやすいこの魚が生で食されるようになったのは、江戸に屋台の握り寿司が登場してから。鮪なら赤身を醤油に浸ける、すなわち「ヅケ」。トロは喰わない。その脂くささが好まれなかった。「トロ」が大流行になるのは戦後、それもここ二十年ばかりのことである。


*「大間の鮪」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編9」に登場する食べ物です。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 20:32 | trackbacks(0) | comments(0) |


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