ライター斎藤博之の仕事

このウェブログは、フリーランス・ルポライター斎藤博之が地域限定の新聞・雑誌または非売品の媒体などに執筆した文章を、広くお読みいただくために、公開することを目的にしています。
斎藤博之は、祭りや民俗芸能・食文化・温泉文化・地域の社会史・地域づくりについて執筆しています。
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青森県のラーメン(序)ラーメンは文化だ

日本人が「ラーメン」を食べるようになってから百年。この百年のあいだに、ラーメンはそれぞれの地域ごとに進化を遂げ、すっかり地域に馴染んだものに変化した。極言すれば、ラーメンは郷土の料理である。ここでは、それを「地場ラーメン」と呼ぶことにした。それは、地域の庶民が、作る者も食べる者もいっしょになってかたちづくった、地域の味である。東京のメディアは何か新しいものはないかと思って「ご当地ラーメン」を探す。だが、東京という単一の尺度で語られだした途端に、地域が百年かけてつくりあげてきた舌が失われるのを、われわれは目撃してきた。たとえば札幌で、あるいは函館で。ラーメンはもっと地味な、土着の食文化である。だから、それをメディアの手垢にまみれた言葉でわかった気になるのはやめよう。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 20:46 | trackbacks(0) | comments(1) |
青森県のラーメン(1)津軽のラーメン

 あまり知られていないことだが、津軽にはラーメン屋が多い。津軽の人はとにかくラーメンを食う。お山参詣や猿賀の宵宮など祭りの日にラーメンの出店が軒を連ねる光景は、おそらくこの地域以外で目にすることは珍しいと思われる。

 津軽ではラーメンを「中華」、あるいは「蕎麦」と言う。大概は煮干出汁のスープで、よく縮れた細い麺だ。その起源は、明治の末から大正・昭和の初めにかけて、中国人が始めた屋台にあると言われている。浅草の「支那蕎麦」が鶏と鰹節の出汁だったのにたいし、津軽の屋台は鶏と煮干だった。中国人の打つ麺は青竹を梃子に腰で伸す「桿麺」(かんみょん)だったが、やがて蕎麦屋が「中華蕎麦」を供するようになると細い縮れ麺になった。蕎麦と同じように鰹節を使ったあっさり味が特徴だ。戦後、街や村にラーメンを始める人が、あらわれる。蕎麦屋や食堂のお品書きに、「中華蕎麦」が並ぶようになる。青森市などでは、駅前の一角に屋台の中華蕎麦屋が建ち並んだらしい。出汁はガラに煮干・焼き干し、鰹節や鯖節も使う。こうして、津軽には魚出汁ベースのさまざまなラーメンのバリエーションが生まれた。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 21:24 | trackbacks(0) | comments(4) |
青森県のラーメン(2)南部のラーメン

 八戸には、煮干で出汁をとった「中華蕎麦」がかつてあった。細く縮れた麺が魚出汁の醤油スープによく絡み、広く八戸市民に親しまれていた。昭和の初め、中国人が作り始めたものと言う。煮干は白銀の浜で捕れたもの。前沖で揚がった背黒鰯を蒸篭で蒸し、天日に干す煮干は、今日でも作られつづけており、この浜の特産品だった。

 昔懐かしいその味を蘇らせようという取り組みが行われている。「八戸らーめん」。白銀の煮干に種市の昆布・南部地鶏と豚骨で出汁をとり、名川の葱と田子の大蒜を使う。麺は手揉みの縮れ麺。醤油味の素朴なラーメンである。

 南部には、階上や六戸にも、同じ傾向だが少し趣を異にするラーメンがある。 あるいは下北半島の田名部通り・西通りなどにも、煮干し・焼き干しと真昆布がベースで、動物系の出汁は用いず、チャーシューの煮汁を使うラーメンがある。地域ごとに地場のラーメンがある。地元の人はこれを「そば」と呼んでいる。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 22:48 | trackbacks(0) | comments(1) |
青森県のラーメン(3)三陸のラーメン

南部地方のなかでも、三陸のラーメンは豊かな海の幸を日常に食する地域だけに、海草を具として載せるあっさり味の塩ラーメンが多い。出汁には、昆布を主体に煮干や鶏を使う。磯の香りを活かすため、脂は控えめだ。潮汁のラーメン版だと考えればよい。ウニ・鮑を載せた豪華版もある。もともとはこの地域も、ほかの南部地域と同じように魚出汁を用いる醤油ラーメンだった。塩ラーメンが登場したのは、ここ数十年のことらしい。いまでは、すっかり地元の食べ物として定着している。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 00:35 | trackbacks(0) | comments(0) |
青森県のラーメン(4)下北半島北通りのラーメン

 下北半島の北通り佐井・大間は、病気になれば函館の病院へ行くというほど北海道に近い。食文化も津軽海峡を挟んで共通するものも多く、函館ラーメン文化圏に属する。この地域で「ラーメン」といえば、塩ラーメン。けっして濁らぬように焚いた鶏や豚の骨、これに地元の真昆布と野菜を加えれば、うっすらと緑色のスープになる。最近は本家の函館ラーメンは東京の影響でだいぶ変わってきたから、むしろ下北のラーメンが函館ラーメンの原型に近い。

 湊町函館は明治の時代から中国人が住み着いた街で、彼らがこの地に中華麺を根付かせた。鶏や豚で濁らせないようスープをとり、これに真昆布や煮干の出汁を合わせる塩味のスープは、横浜の中華街に誕生したわが国初のラーメン「南京蕎麦」に近い。これが下北半島の北通りにも伝わったというわけだ。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 01:03 | trackbacks(0) | comments(0) |
青森県のラーメン(5)地域の食材を活かす

ここまでは、津軽・南部・三陸・下北北通りの地域の、風土の味とも言えるラーメンを紹介してきた。このほかにも、地域の食材を活かし、創意工夫を重ね、すっかり地域に定着しているラーメンがある。じゃがいも、蜆貝、猪、などなど。情熱を持って食材を活かしたラーメンに取り組んでいる店を紹介したい。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 07:17 | trackbacks(0) | comments(0) |
青森県のラーメン(6)地域起こしとラーメン

 青森県は、とくに南部や下北地方を中心に、特産品を生かしてラーメンを作り、地域おこしにつなげようという動きが盛んだ。麺に特産品を練り込むもの、特産品を具やスープに使って名物にしようというもの。そのなかから、新しい地域の味が生まれるかもしれない。その一部を紹介しよう。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 07:33 | trackbacks(0) | comments(0) |
青森県のラーメン(番外編1)美味しんぼ塾の番組

『美味しんぼ塾ラーメン道 日本全県グランプリ』

2007年1月16日のフジテレビ火曜スペシャルで放映。

日本全国を6つの地域に分け、それぞれの地域の案内人が選んだ「郷土のラーメン」の店が、スタジオで対決。

わたしは、東北の案内人。「津軽ラーメン」の店を4〜5軒案内し、だしに使う焼き干しの生産者を訪ね、郷土の食材を活かした料理人を紹介。

「ラーメンは郷土料理である」が番組のコンセプト。

番組の続きは、美味しんぼ塾のサイトでも、お楽しみください。

このウェブログでは、メイキング・オブ・美味しんぼ塾ラーメン道(津軽ラーメン編)を紹介します。「続きを読む」からどうぞ。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 01:52 | trackbacks(0) | comments(0) |
青森県のラーメン(番外編2)津軽の中華蕎麦

フジテレビ火曜スペシャルで2007年1月16日放映の「美味しんぼ塾ラーメン道」。

このなかで津軽の中華蕎麦を紹介すべく、老舗の3店を取材したものの、実際にはまったく説明なしで一瞬放映されただけなので、このウェブログでフォローしておくことにします。

なお、ロケのスケジュールの都合上、青森と黒石からお店を選びました。弘前や五所川原など、津軽各地に「ここが老舗」という店はあります。津軽の中華蕎麦のお店のリストを作りましたので、ご参照ください。(おもいつくままに作ってみただけなので、網羅したわけではなく、抜け落ちている店も多いと思いますが、ご容赦を)

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 10:22 | trackbacks(0) | comments(0) |
NHKで「津軽の中華蕎麦」

「津軽の中華蕎麦」についてNHKで全国放送されます。わたしが取材に協力し、助言しました。


ゆうどきネットワーク
NHK総合テレビ
2007年12月4日17時代


この番組のなかで、焼き干しを使った「津軽の中華蕎麦」が紹介されます。

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| 斎藤 博之 | [食の文化]ラーメン | 21:44 | trackbacks(0) | comments(1) |


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