ライター斎藤博之の仕事

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南部地方で50年ぶりに焼畑を復活

本日、南部地方で半世紀ぶりに、焼畑が復活します。


主催者:山の楽校(八戸市南郷区世増地区)
日時 :2009年8月2日(日曜日)午後1時半から
場所 :山の学校に隣接する森


 青森県と岩手県に跨る南部地方の、とりわけ「糠部」と称する岩手県北から青森県の三戸・八戸にかけての地域は、かつては東北でもっとも焼畑面積の多い地域だった。畑面積のなかに焼畑が占める割合は、多い集落では5割を超えていた。食べ物を焼畑に依存していたことになる。焼畑の作物は、粟などの雑穀や、大豆・小豆などの豆、それに蕎麦。南部地方の粉食や雑穀の食文化は、この焼畑を背景にしている。

 旧南郷村(現在の八戸市南郷区)も焼畑の盛んだった土地で、とくに世増(よまさり)などの集落では、ほとんどすべての家が焼畑を行なっていた。焼畑を行なえば、樹木の成長が早く、よい森を育てることにつながった。森は赤松を中心とする雑木林で、伐った木を建物に、小枝を炭に焼いて生計を立てていた。焼畑で森を育てることは、こんにちから観れば「循環型農業」で、環境を守る意味でも学ぶべき点は多い。

 ところが、昭和30年代の前半を最後に、焼畑はこの地域から姿を消した。南部ぜんたいでも、このころから焼畑は行なわれなくなった。高度成長へ向かおうとする時期だから、むらびとは現金収入を求めるようになった。山で杉を植えるようになったし、出稼ぎに出るようになった。やがて、山村から若者が流出し、いまや過疎のために森の手入れをする人手がない。

 この世増はダムが出来て移転を余儀なくされた地域だが、水に沈まなかった丘の上に、廃校となった小中学校がある。「山の楽校」と名付け、地域の人びとが運営する体験施設となった。この地域の暮らしを感じ取ってもらうために、地域で伝統的に行なわれてきた、蕎麦打ち、豆腐づくり、味噌づくり、藁細工、炭焼きなどが行なわれている。南郷のグリーンツーリズムを進めて行く、大きな力になっている。この「山の楽校」が焼畑を復活させることになった。

 焼畑の復活により、その生産物の差別化を図り、農家の収入を支える。農家レストランなどで、その作物を使った伝統の料理を提供し、焼畑とともにグリーンツーリズムのコンテンツとする。こうして観光客の遊客に繋がれば、地域を活性化させ、雇用を生み出すことができる。そうなれば、森を維持する手入れも復活させられるだろう。地域の活性化が環境の保全につながるという、先進的な事業になる。そういう青写真をわたしが書き、山の楽校といっしょに準備をすすめてきた。行政の支援を得て、3年間の実証実験を行なうこととなった。

 ほんらいは南部の焼畑は春に火を入れるのだが、準備の都合もあり、今年は山形や会津で行なっているように、夏に火を入れる焼畑を行なってみる。たぶん問題がいろいろ出てくるだろうが、来年以降の春の火入れと比べてみようと言うことになった。南部の焼畑の特徴が見えてくるはずだ。

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すでに伐採を終え、火を入れる用意をしているのですが、今年は梅雨がなかなか明けず、先週予定していた火入れを本日に延ばしました。今年はそばを作付するのですが、種播きが遅くなると収穫の季節に霜の被害に遭わないか心配されます。

| 斎藤 博之 | [地域の社会史]焼畑 | 02:40 | trackbacks(0) | comments(0) |
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