ライター斎藤博之の仕事

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青森県の円空仏(6の1)乳井街道〜浪岡西光院

西光院山門

 浪岡から黒石へ向かう乳井街道をわずかにそれたところに、浄土宗行岳山西光院という寺がある。

西光院本堂

 決して立派だとはいえない庵だが、門構えにも、境内の古木にも、歴史が感じられる。

西光院の円空仏

●西光院の円空仏(観音菩薩坐像)
 もともと西光院の有力な檀家の仏壇に納められていた。そのためか、当初はあったはずの台座が削り落とされ、表面に塗りも施されている。津軽半島の円空仏と同じような作風で、やさしく笑みをたたえている。
円空仏の拝観には事前申し込みが必要
(浄土宗行岳山西光院 0172-62-2376)


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 浪岡と油川を結ぶ羽州街道は旧国道の県道 285号にあたる。浪岡橋を北へ渡った東側を茶屋町と呼ぶ。江戸時代にはここに旅籠が並んで多いに賑わっていた。この橋から逆に南側へ入ると、浪岡の街の目抜き通りへ出るが、道は複雑に折れ曲がっていた。浪岡の街のなかで、街道は城下町のように曲がりくねっている。これを「浪岡の七曲」と呼ぶそうだ。

浪岡北畠氏の居館

 浪岡は、南北朝から戦国時代にかけて、浪岡北畠氏が館を置いていた場所である。浪岡北畠氏は、村上源氏の流れを汲む陸奥国司の北畠顕家の末裔だと伝えられており、その城館を「御所」と呼んでいた。15世紀半ばに浪岡城を築き、16世紀前半には津軽の北半分を領していた。中世の津軽を知る史料『津軽郡中名字』は、天文年間(1532〜1555年)に北畠氏が編んだものである。
 天正六年(1578年)または十八年(1590年)に大浦右京亮(津軽為信)に攻め滅ぼされ、その一族は南部に逃れて三戸南部氏の家臣になり、あるいは秋田に逃れて安藤氏の家臣となった。館野越(板柳)の館を居城とする一族が津軽へ戻って本家を継ぎ、山崎姓を名乗って江戸時代を生きながらえた。館野越の山崎氏は、江戸時代の紀行家・菅江真澄の文章にもたびたび登場する

伝北畠氏墓所

 浪岡の街を少し離れた、八甲田の峰々を臨む田園のなかに、二箇所に分かれて北畠氏の墓所だと伝わる場所がある。浪岡北畠氏の一族の墓と、分家の北畠守親の墓であると云う。いづれの墓所も数多の五輪塔が残っている。

伝北畠氏墓所

 この浪岡から、津軽の四方へ街道は延びていた。われわれが油川から歩いてきた羽州街道は近世の街道であるが、中世にはすでにあったと考えられている。浪岡から現在の空港のあたりを山越えする大豆坂街道も、中世から続く街道で、高田を経たのち一方は堤湊へ、もう一方は三内から新城・油川大浜の湊へ通じていた。
 浪岡から南へは、乳井街道と呼ばれる街道もあった。黒石・平賀・尾上・乳井を経て、鯖石で羽州街道に合流する。中世には、こちらのほうが本街道で、これが奥大道にあたる。平泉の奥州藤原氏が整備した街道は、中尊寺から外ヶ浜の湊まで続いていた。この街道に沿っていくつかの円空仏が遺っていることから、円空が乳井街道を移動したということがわかる。


| 斎藤 博之 | [地域の社会史]円空 | 01:47 | trackbacks(0) | comments(2) |
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色々と、教えて頂き、有り難う御座います。
何時の日か、地図を掲載して戴けますか?
| 満作 | 2011/10/17 8:26 PM |
そうですね。
暇をみて、地図を載せるようにします。
| 斎藤 博之 | 2011/10/18 7:00 PM |










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