ライター斎藤博之の仕事

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美味しんぼ 日本全県味巡り 青森編(7)小川原湖の天然鰻

 青森県の天然鰻の漁獲量が日本一であるということは、あまり知られていない。どこで捕れるのかと言えば、小川原湖がいちばん多い。静岡の浜名湖はほとんど養殖だし、天然鰻と言えば四国の四万十川などを思い起こす人も多いだろうが、じつは小川原湖が質と量において他を圧倒している。


*「小川原湖の天然鰻」は『美味しんぼ』第586話「日本全県味巡り・青森編2」に登場する食べ物です。


JUGEMテーマ:郷土料理
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 小川原湖に限らず、下北半島の湖沼や川では、海から上がって来る鰻の姿をよく見かける。鰻は海で育ち、川や湖沼に帰る。ようするに、森があって、川や沼・湖があり、海に開かれている。この循環する水の環境のすべてが美しく保たれていなければ、鰻は棲むことが出来ない。鰻は、水辺の環境の指標なのだ。

 この下北の天然鰻は、金色を帯びている。ほんとうに美しい川に棲む天然の鮎が金色を帯びた「金鮎」であるように、天然の鰻も脂がのってくると金色を帯びる。下北の天然鰻は、とくに金色が濃い。ただ焼いただけでも、とろけるように美味い。

 それでも、この小川原湖ですら、かつてほどには鰻が捕れなくなってきたらしい。もっと漁獲があった時代は、六ヶ所村倉内の下舌平三郎さん(故人)のような鰻捕り名人もいた。何かあるたびに、村の人たちは鰻を食べていたそうだ。

 ところで、小川原湖周辺の鰻料理は、ほかの地域には見られない特徴がある。それは味噌を使うということだ。

 鰻を食べると言えば、たいていの日本人にとっては、蒲焼を喰うことと同じである。関西風や関東風の作り方の違いがあったり、名古屋のように「ひつまぶし」にする食べ方があったりするが、けっきょく鰻は蒲焼なのだ。ほかにも白焼きがあり、四万十川では「たたき」と言って、これに玉葱を添え、ポン酢を掛けて食べたりするが、鰻を味噌で食べるという地域は小川原湖以外に聴いたことがない。

 小川原湖でもっとも一般的な鰻料理は、味噌汁と言うべきか味噌鍋と言おうか、つまりは味噌仕立ての汁物である。鰻はぶつ切りにし、人によっては軽く炙ってから鍋に入れ、ささがきにした牛蒡や、野菜などといっしょに火に掛け、味噌を溶いて煮込む。臭みを消すために生姜をすりおろして加える人もいるし、茸を入れることもある。最後に葱を入れて出来上がりだ。

 小川原湖岸の東北町上北には、鰻の味噌焼きという食べ方もある。白焼きにしたあと、蒲焼の醤油ダレの替わりに、味噌と味醂で作ったタレを塗る。関東風の蒲焼のように蒸したりはしない。脂が乗っているから充分に柔らかくて美味い。金色の鰻なればこそ、の料理であろう。


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| 斎藤 博之 | [食の文化]美味しんぼ 青森県編 | 07:31 | trackbacks(0) | comments(1) |
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comments
はじめまして。
ネットをみていたら、青森県の天然うなぎは
全国3位とありました。
| 三井慎介 | 2010/08/16 3:29 PM |










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